【マリオ64 RTA】WDW100枚シクレにおける2匹目のアメンボまわりを考えてみた その1
『みずびたシティー あさせとそらのシークレット+100枚コイン』(100枚シクレ)では、2匹目のアメンボ(以下)を倒すパートがある。
このアメンボは動きが乱数に依存しており、アドリブで倒さなければならないのが特徴だ。
逆に言えば、アドリブ無しでうまく倒せる導線があれば"最強の導線"と言っても過言ではなく、その候補として、以前、新ルート案を考えたことがある。
詳細は上記記事を読んでほしいのだが、結論を述べると、この新ルート案は『人間がやると遅くなる』という理由から没案になってしまった。
でも、この案だけで諦められなかった私は、再度このアメンボを考察し、新たな導線を考えることにしたのだ。
現行ルートにおける2匹目のアメンボの動き
現行の100枚シクレのルート(青コインスイッチまで)が以下の導線となっているのはご存じだろう。
この導線における『2匹目のアメンボ』は大きく分けて以下のパターンがある。
A. 左上でずっと止まっているパターン
B. 左上でずっとぐるぐるしてるパターン
C. 左上にいたが、青コインを取っている最中にこっちにくるパターン
D. もともと青コインスイッチの近くにいるパターン
これらのパターンにおける発生頻度を、私の経験則で並べてみた。
(高い) B > A >>>> C >>D (低い)
発生頻度から分かることは「パターンDはほぼ発生しないと思うので、パターンA~Cを優先的に考えるべき」ということだ。
で、このA~Cには『青コインを起動する前、アメンボは左上あたりにいる』という共通点があり、ここからあるひとつの導線が生まれる。
考察から生まれた導線
共通点より生まれた導線――それは、atmpas氏が生み出した以下の導線だ。
当時の私は『2匹目のアメンボまでは現行ルートの導線しかない』という固定観念に捕らわれていたため、この導線を見た時は「なるほどね、考えてなかったわ」とつい声に出してしまうぐらい、納得させられたことを今でも鮮明に覚えている。
たしかに、この導線であれば、2匹目のアメンボを導線上で捕らえられる確率が高そうである。
実際に試してみたところ、体感ではあるが90%以上の確率でアメンボは導線上に現れたので、「これは使えるかも」となり、次のステップとしてタイムを調べることに決めた。
現行ルートにおけるアメンボ先・後を比較してみた
まず現行ルートで遅い場合のタイムを確認することにした。
先ほど考えた新導線が現行ルートで遅い場合よりも遅かった場合、使い物にならないからだ。
現行ルートには『アメンボを先に倒す方法』と『アメンボを後で倒す方法』があり、それぞれにおける遅いパターンのタイムを調べてみたのが以下となる。
『アメンボを先に倒す方法』
(1) 青コインスイッチを踏む前にアメンボを倒す。
(2) 青コインを回収。
以上から、最後の青コインを19.63秒で回収する結果となった。
『アメンボを後で倒す方法』でアメンボの位置が悪いパターン
(1) ジャンプダイブ復帰後、一段ヒップでスイッチを踏む。
(2) 青コインの回収途中でアメンボを倒す。
(3) 壁キックで折り返し、残りの青コインを回収。
以上から、最後の青コインを19.80秒で回収する結果となった。
現行ルートにおけるアメンボ先・後まとめ
上記で紹介した2つはアプローチの最適化などをしていないため、参考タイムとして見てほしい。
自分の手で試してみて感じたことも含め、現行ルートにおけるアメンボ先・後を以下にまとめる。
- アプローチ: 『アメンボを先に倒す方法』は同じアプローチで良いので楽。『アメンボを後で倒す方法』はアプローチがばらつきやすいため、タイムもブレやすそう。
- タイム: 最速タイムが出るのは、『アメンボを後で倒す方法』の中の『青コイン回収中にアメンボがこっちに来る場合(パターンC)』だと思われる。
- まとめ: 最速を目指したいのであれば、アメンボを後に倒すべき。ロスを許容してでもタイムを安定させたいのなら、アメンボを先に倒すべき。
新導線のタイムを見てみた
新導線では、基本的にアメンボを先に倒すことになるので、そのパターンのみを試してみた。
(1) 木箱コインを回収した後、ほぼ垂直に幅跳びし、右を向いてジャンプダイブ。
(2) ジャンプダイブ復帰後、一段ジャンプで足場に乗る。
(3) ジャンプでアメンボを踏んで、キックでコインを回収。
(4) 青コインスイッチを踏み、いつも通り青コインを回収。
以上から、最後の青コインを20.13秒で回収する結果となった。
この後、アプローチを変えてみたりしたが、タイムは大体これぐらいになるようだった。
新導線 vs 現行ルート
今回紹介したタイムをまとめると以下となる。
- 現行ルート・アメンボ先倒し: 19.63秒
- 現行ルート・アメンボ後倒し・乱数悪: 19.80秒
- 新導線・アメンボ先倒し: 20.13秒
新導線は、現行ルートの『乱数が悪い場合』や『安定を取った場合』と比べ、0.3~0.5秒ほど遅いことが分かる。
タイムが遅くなる理由は、おそらく、遠回りしているからだと思う。
導線自体はかなり良いと思ったのだが、これらタイムだけを見ると使い物にならなそうである。ただ、タイム以外に以下の長所があるので、ワンチャン使ってみても良いとは思う。
- 長所1: アメンボの乱数を9割ぐらい無視できるため、アプローチを固定化できる。(タイムが安定する)
- 長所2: 乱数が悪くても、後半の木箱2つのコインを取り逃しにくい。
突然出てきた『長所2』を説明する。
以下の画像を見てほしい。赤線が現行ルートで、緑線が新導線となっている。
現行ルート(赤線)の場合、コインの乱数次第では、一度奥に進んだ後ぐるりと回って幅跳びしなければならない。攻めすぎると、場合によってはコインを取り逃してしまう可能性がある。
一方、新導線(緑線)の場合は、ルート的に少し奥に進む必要がある。そのため、乱数が悪くてもコイン取り逃す可能性が低いのだ。
こういった長所も含めると、『ワンチャン採用しても良い』ぐらいの導線なのではないだろうか。
むすび
今回紹介した3つのサンプルは適当に作ったものなので、最適化したら結果が大きく変わってくる可能性がある。その点は理解しておいてほしい。
実はこの後、『2匹目のアメンボ』に関するもうひとつの考察を行なった。
その考察内容を『その2・3』で語ろうと思っているので、興味の湧いた方は読んでみてほしい。