【マリオ64 RTA】70枚idealrunのTTC100枚てっぺんを解説 (1/3)
70枚idealrunでは「これはRTAで使ってもいいんじゃないかな」と思ったアプローチや処理落ち回避を採用しているスターがある。
そのうちのひとつが、記事タイトルにもなっているチックタックロックのえっへんてっぺんドッスン+100枚コインスター。(以下、TTC100枚てっぺんと呼ぶ)
今回は、70枚idealrunのこのスターで取り入れてみたアプローチ・処理落ち回避をオタクチックに紹介していく。
なお、この話は3枚構成にする予定で、今回は以下の3パートを話す。
(1) スタート~10枚箱壊すまでのパート
(2) 赤コイン地帯のパート
(3) 青コインスイッチ前のパート
【追記】他記事はこちら↓
(1) スタート~10枚箱壊すまでのパート
最初のアプローチは?
最初のアプローチは『幅跳びのみ』と『QJK+幅跳び』の2種類がある。
120枚などのTASでは『QJK+幅跳び』のアプローチを使用しているため、おそらく『QJK+幅跳び』のほうが理論上は速いと考えられる。
しかし『QJK+幅跳び』のやり方は、10枚箱を壊す段階でかなりの速度がついているため、うまく減速しつつ10枚コインを回収するのが難しい。
(無理して回収しようとすると逆にロスしてしまう場合もある。)
以上の理由から、70idealrunでは『幅跳びのみ』を選択した。
ボム兵の起動による処理落ち
一般的に、以下の画像のボム兵が起動してしまうと、10枚箱破壊時に処理落ちが増えると言われている。
ボム兵が起動するかしないかはライン取りによって決まる。
- ボム兵の目の前を通るようなライン取りだと起動する。(以下、『ボム兵起動無し』)
- ボム兵の背中の後ろを通るようなライン取りだと起動しない。(以下、『ボム兵起動有り』)
何度か試してみた感じ、10枚箱に到着するまでのゲーム内タイム自体は『ボム兵起動有り』のほうが速く感じた。
よって、70枚idealrunでは、ボム兵の起動による処理落ちよりも10枚箱到着までのゲーム内タイムのほうが差が出ると考え、『ボム兵起動有り』を採用したのだが……。
後日調べてみたところ、理論上は『ボム兵起動有り』も『ボム兵起動無し』もほぼ同じタイムであることが分かったのだ。
なので、今現在の私は、処理落ちが少ない『ボム兵起動無し』を選択する方が良いと考えている。(つまり、70枚idealrunのここの動きは参考にしないでほしい)
最初の10枚箱の処理落ち
『10枚箱破壊』から『10枚コインを回収』までの区間に処理落ちがある。
ここの処理落ち量は、コインの散らばり方(厳密にはマリオがコインを全て回収するまでの時間)によって多少誤差があるので、平均的に処理落ちが減らせる方法を模索した。
結果を話す前に、まず、よくある視点の処理落ちを確認する。
[視点そのまま][ボム兵起動無し] = +9カウント
ラグカウンター: 23 → 32 (+9)
※+9か+10が多いらしい。
引用元: Super Mario 64 – TTC 100 coins w/ thwomp 58.26 x-cam IGT – YouTube
[視点そのまま][ボム兵起動有り] = +12カウント
ラグカウンター: 23 → 35 (+12)
※タイマーが表示されているので+1ぐらい増えているかもしれない。
[C右 x1視点][ボム兵起動無し] = +7カウント
ラグカウンター: 23 → 30 (+7)
ハートの付近に着地する前にC右を1回押している。(120枚idealrun)
70枚idealrunは[C右 x2視点][ボム兵起動有り] = +10カウント
上記3つのサンプルと実際にプレイしてみて、右を(1回以上)押すかどうかで処理落ちに差が出ることが分かった。
120枚idealrun同様にC右1回でも良かったのだが、次の反転で真上反転できたら楽だと思ったので、70枚idealrunではC右を2回押すことに決めた。
ラグカウンター: 23 -> 33 (+10)
[視点そのまま]のサンプルより、ボム兵の起動の有無で3ラグカウント変わることが分かっている。
そこから、[C右 x2視点]でボム兵を起動しなかった場合は、『10 – 3 = 7ラグカウント』になると予想できる。(つまり120枚idealrunと同じ)
人間的にはどうすれば良い?
ここまで読んだあなたは「じゃあC右を押すのがいいの?」と思ったかもしれないが、これはあくまで理想上の話だ。
「人間がやる上でどうするべきか」の私の意見は以下の通りである。
- この10枚箱に限らず、10枚箱は『如何に速く10枚コインを回収して次のアクションに移れるか(乱数含む)』が一番タイムに影響してくる。
- ゆえに、ここでの視点は『10枚コインが取りやすい視点』を最優先に考えるべきだと思う。
- 処理落ち回避を考えるのはその次。
- C右視点は1フレーム程度しか処理落ちが減らないので、可能ならやるべき程度のものだと思う。
(2) 赤コイン地帯のパート
このパートでやってみたこと その1
ワンステージRTAでは、赤コイン2枚目のところで反転壁キックを使うアプローチを使うのが一般的である。
将来的には70枚RTAなどでもこのアプローチが使われる可能性があるので、先を見据えて採用してみた。
通常の二段キックのやり方とのタイム差を確認したことはないが、確実に速くなると思う。
このパートでやってみたこと その2
かなり細かいところであるが、赤コイン1枚目を取った後に正面視点に戻すことによって、次の反転を真上で済ませられるようにしてみた。
この視点をキープすることにより、赤コイン3枚目後の反転も右下で済ませられるようになった。
上記のくぼみ入力は既に取り入れている人がいるかもしれないが、意識してやってみたところなので一応書いた。
(3) 青コインスイッチ前のパート
反転アプローチを採用
このパートでは、昔からワンスターで使われることの多かった反転アプローチを採用した。理由は以下である。
- 実際やってみた感じ見た目ほど難易度が高くなく、上位プレイヤーならRTAでも安定してできると思ったから。
- タイムを確実に短縮できるから。
- 上記2点から「実際にやってみて使えるなら使った方が良い」と思ったから。
120枚idealrun(通常のアプローチ)と70枚idealrunを比較すると、反転アプローチのほうが1.1秒程度速いことが分かる。
- 120枚idealrun: 6.3秒
- 70枚idealrun: 5.2秒
- 差: 1.1秒程度
ちなみに、ここのパートは、マリオ64サーバで一度議論になったことがある。
その時は「反転アプローチより簡単なアプローチでも速いタイムが出るなら採用してもいいんじゃないのか」という考えで議論が行われ、以下のような案が出ていた。
だが、どれも微妙だったのと、結局反転アプローチのほうが簡単だということが分かったため、これらのアイデアは現状使われていない。
むすび
次回へ続く。