【マリオ64RTA】2021年の1ヵ月目で4つの快挙が成されている件 ~0枚・120枚WRと120枚個人理論値の更新~

トピック0枚RTA,120枚RTA,世界記録

マリオ64RTAでは、2021年に入ってからまだ1ヵ月なのにも関わらず、すでに3つの快挙が成されている。

  • 0枚RTAの世界記録が更新される
  • 120枚RTAの個人の理論値が1時間35分台に突入する
  • 120枚RTAの世界記録が更新される

2020年に様々な快挙がありすぎたせいで、「2021年は停滞するのではないか」と思っていた私だったが、これら快挙がその思いを良い意味で裏切ってくれたのだ。

以降で、それぞれの快挙を見ていこう。

【追記: 4つ目の快挙】本記事を投稿した約1時間後、120枚RTAにて、世界で4人目の1時間39分切り達成者が現れた。達成者はほころび氏で、タイムは『1時間38分54秒』。

0枚RTAの世界記録が更新される!

2021年1月27日。KANNO氏によって0枚RTAの世界記録が更新された。タイムは旧記録より0.6秒速い『6分31秒52』

以下の記事で紹介したが、Dowsky氏による旧記録は、1ヶ所だけ目立ったミスがあったものの、それ以外はほぼ理想通りの動きだった。

この旧記録から0.6秒も更新したわけなので、どれだけすごい記録なのかは言うまでもないだろう。

新記録を見ると、『てんくうのたたかい!』にてDowsky氏が使用していたアプローチをKANNO氏も採用していることが分かる。これは『劣化フリーザー』とも呼ばれる技だ。(記録動画の5分23秒あたり)

january-2021-topics-1

劣化フリーザーを使うと、この先にある回転足場のRTA最速周期に乗りやすくなる。ただ、練習して慣らさないと安定しない技なので、上位勢でも一握りしか採用していないのが現状だ。

そんな技を採用しているわけなので、このステージに限らず、全体のルートを一通り見直し・練習したということなのだろう。

今回の新記録は、そんなKANNO氏の鍛錬によって勝ち取ったものだと感じられた。

さて、今回の記録により、次の壁である『6分30秒切り』もはっきりと見えてきた。今年中に壁を破る瞬間が見られるのかどうか――今後も注目していきたい。

120枚RTAの個人の理論値が1時間35分台に突入!

0枚RTAの世界記録の更新の傍らで、もう1つの快挙があった。それは、Taggo氏の120枚RTAの理論値(SoB)が1時間35分台に突入したことである。

2020年時は、一番速いプレイヤーの理論値が『1時間36分0x秒~1x秒』。煮詰められた結果がこの理論値だったため、「さすがに1時間36分の壁を破るのは難しいのでは」と思われていた。

そんな状況だったのにも関わらず、Taggo氏がついに壁を破ってしまったのである。

壁を破れた勝因は、『新しい案を積極的に試し・取り入れる』という同氏のパイオニア精神にあると考えられる。

例えば、『みずびたシティー』の100枚+赤コインにて、2019年7月に発案された『赤コイン2枚目の最適化』を採用したり、

january-2021-topics-2

『ちびでかアイランド』の100枚+ノコノコレースにて、2020年7月に発案された『ちび島ルート』を採用したりするなど、

january-2021-topics-3

他の上位勢の誰もが試さなかった案たちを試し、使える案はすぐに採用していったのだ。(画像は『SM64 prac, 120 tourney match vs Badroenis at 2 pm EST』から)

その結果が、今回の『理論値で1時間36分切り』に繋がったのだと私は考えている。

もちろん、RTAは通し切ったタイムが結果なので、理論値が速いこと自体にはそれほど大きい意味はない。

ただ、理論値が速くなればなるほど、現時点では考えられないような世界記録が誕生する可能性も出てくるわけで……。今年中に個人の理論値がどこまで伸びるのかにも注目したい。

120枚RTAの世界記録が更新される!

2021年1月も残りわずかというところで1月29日。まさかまさかの、120枚RTAの世界記録が更新された。

タイムは旧記録より3秒速い『1時間38分25秒』で、プレイヤーはcheese氏

2020年は「1時間39分を切ったらもう120枚はお終いだ」という雰囲気の中、Simply氏が5月に『1時間38分28秒』という化け物じみた記録を出してしまった。

そういった背景があったので、「しばらく世界記録は更新されないんじゃないか」とまで噂されていたわけだが、それを打ち破ったのが今回の記録なのだ。

この話だけでも、新記録が如何に驚くべき記録なのかが分かると思う。

せっかくなので、前半パート・後半パートのタイムを表にしてみた。

概要 前半 後半
旧世界記録 1時間03分21秒 35分07秒
新世界記録 1時間03分13秒 35分12秒
世界最速 1時間02分51秒 35分07秒
  • 前半パート: ロビー・地下ステージ全攻略にあたる『最初~2階カギ扉タッチまで』
  • 後半パート: 2階・3階ステージ全攻略にあたる『2階カギ扉~大スタータッチまで』

注目してほしいのは、新記録のタイムのバランスだ。

各区間の世界最速(4行目)から見ると、新記録は、前半・後半ともにかなり良いタイムが出ていることが分かるだろう。

今までは、旧世界記録のように、片方のパートが超速ければ、もう片方は凡ペースでも世界記録を狙うことが可能だった。しかし、新記録によって、前半も後半も良タイムを出す必要が出てきたのだ。

つまり、今回の新記録は120枚RTAの世界記録狙いのハードルが1つ上がった――そんな記録だったと言えるのではないだろうか。

むすび

今回は2021年1月に成された3つの快挙を紹介した。

2021年現在、メインカテゴリは磨きに磨きがかけられた状態なので、それに関する快挙はなかなかお目にかかれない。だからこそ、今回の快挙により、マリオ64コミュニティが一層盛り上がったように感じられた。

今年中にあと何個快挙が成されるのか……、今後も楽しみにしておこう。