【マリオ64 RTA】HMC メタルでダッシュ専門家が速いタイムを出すためのポイントを語る
今回は、70枚idealrun作成時に分かったやみにとけるどうくつのメタルでダッシュ(HMC メタルでダッシュ)の細かいポイントを解説する。
このスターは扉to扉になっているので、各扉間ごとに見ていこう。
- 幅跳びを3回出す区間
- 大穴があるエリアの区間
- 壁を抜ける区間
- スターがある部屋の区間
幅跳びを3回出す区間
この区間では、最速タイムを出すためのライン取りを覚えることが最も重要である。
この区間のアプローチは、
- 幅跳び x3のアプローチ
- ジャンプダイブ→ダイブ→ジャンプダイブのアプローチ
の2種類あるのだが、RTAでは前者を使うのが一般的だ。
後者はタイムがばらつきやすいが、前者は安定して速いタイムを出せるからである。
前者の最速タイムは、少し前まで『5.70秒扉カメラ×』だと言われていたのだが、最近になって、1フレーム速い『5.66秒扉カメラ×』を出せることが判明した。
1フレーム速いタイムを出すヒントは『幅跳び3回のライン取り』にある。
イメージできるようにライン取りを描いてみた。緑線が5.70秒のライン取りで、青線が5.66秒のライン取りとなっている。
5.66秒のライン取り(青線)では、最初に少し右斜めに進んだ後、最後左に歩いて補正をかけているのが分かるだろう。
おそらく、左の壁にこすらないようにしたおかげで、1フレーム速くなったんだと思う。
具体的なやり方は、『メタルでダッシュ』の上級者向け解説で語っているので、知らない方は読んでみてほしい。
なお、扉を開ける時はマリオ遠目視点を使っている。
次の区間の終盤でジュゲム近め視点にするため、この段階でジュゲム視点を使いたいところなのだが……。そうしない理由は、ジュゲム視点だと0.5フレーム処理落ちする可能性があるためである。
大穴があるエリアの区間
この区間には、アプローチの話と処理落ち軽減の話がある。
アプローチの話
結論を先に述べると、この区間は好きなアプローチを使うのが良いと思う。
この区間の代表的なアプローチは、以下の2つだ。
- 長歩き→幅跳び→ダイブ復帰のアプローチ(120枚idealrunで使用)
- QJK→2段ダイブ復帰→ダイブ復帰のアプローチ(70枚TASで使用)
比較してみたところ、後者のほうが2フレーム速いことが分かった。
タイムだけ見ると後者を選択するべきだが、後者には以下のデメリットがある一方、
- 二段ジャンプの高さを限界まで抑えて2フレーム速くなる = 少しでも二段ジャンプが大きいと差がゼロになってしまう。
- 高さを抑えるとクモを踏みやすくなってしまう。
前者には以下のメリットがあるので、
- 幅跳びアプローチは馴染みがある。
- 幅跳びアプローチのほうが安定して速いタイムが出やすい(と思う)。
70枚idealrunでは、幅跳びアプローチを採用することにした。
ただ、ほとんど差は無いので、どちらのアプローチを選択しても良いだろう。
処理落ち軽減の話
扉まわりでは、当時見つかったばかりの究極の処理落ち軽減を使っている。やり方は以下の通り。
(1) ダイブ時はジュゲム近め視点。
(2) 復帰を出したらマリオ近め視点にし、C右を連打する。
(3) 扉にタッチする前にジュゲム近め視点に戻す。
ジュゲム近め視点+C右連打だけのやり方と比べ、12ラグカウント(=6フレーム=0.2秒)も処理落ちを軽減できていた。
結構大きい処理落ち軽減なので、余裕がある人は習得してみても良いかもしれない。
壁を抜ける区間
この区間には3つポイントがある。
壁を抜ける部分での最適化
壁を抜ける部分の三段壁キックは、
- なるべく速く壁に衝突すること
- 壁キック時、Aボタンを長押ししないこと
で、タイム短縮することができる。
ただ、『壁を抜ける=紫スイッチを起動できる』ではないので、注意が必要だ。
70枚idealrunでは、以下の黒い模様あたりで壁キックを出して、
壁を抜ける手前ぐらいでAボタンを離している。
紫スイッチを押せないと大幅ロスになるので、
- 攻めなくて良いと思っている人は、Aボタン最大押しで安定を取る
- コンマ数秒でも攻めたい人は、この点を意識してみる
と判断するのが良いと思う。
紫スイッチまわりの処理落ち軽減
紫スイッチまわりに処理落ち軽減がある。カメラ操作に自信のある方は、取り入れてみることをオススメする。
壁を抜けた後、C右を押して光を映さないようにすること紫スイッチ手前でジュゲム遠目視点にし、遠目のままスイッチを押すこと- 水中から地上に出る時、ジュゲム近め視点にすること
【追記】
後日調べたら、ずっとジュゲム近め視点のままでOKということが分かった。
『C右を押して光を映さない』『スイッチ手前でジュゲム遠目視点』は不要だった。
むしろ、水中から地上に出る時に、すぐにジュゲム近め視点にしないと処理落ちが増えるので、視点を変えないほうが良いと思われる。
金網ぬめり
ここは、扉前で歩く量を極力減らせるような大きさのジャンプダイブが良い。
また、ジャンプダイブを少し左向きに出し、扉式になっている金網にこすりつけると、ニュルっとなり大幅タイム短縮できる。
最適化に自信のある人は、両方取り入れてもいいかもしれない。
スターがある部屋の区間
この区間のポイントは特に無い。……が、可能であれば、以下の点を狙ってみると良いかもしれない。
- 最初の幅跳びは真上入力ではなく、少し右を向いた方向に出したほうが良い。
- 最後、幅跳び後Zホールドジャンプ→ヒップ→1フレーム後にスタータッチできるのがベスト。
余談: その他のルートは?
実は、ワンスターRTAでは、『箱三段→小島から滑ってスイッチを押す』というルートが使われていたことがある。
これが人間でも使えるかどうかを確認してみた。
詳細は割愛するが、結果は以下の通りだ。(現行RTAルートとの比較)
- 安定しない
- 0.3秒しか速くならない
- 小島から直接スイッチを押せないとロスになる
以上から、旧ワンスタールートは、RTAで採用するほどの価値は無いと思う。
むすび
今回紹介した内容は超上級者向けかも知れないが、このスターは多くのカテゴリで使うので、覚えておいて損はないはずだ。
「知らなかった!」というポイントがあれば、時間がある時に試してみてはいかがだろうか。