【マリオ64 RTA】ピングートリックを実現するための条件を調べてみた

考察さむいさむいマウンテン,テクニック

さむいさむいマウンテン まいごのこペンギン』では、通常、親ペンギンと話し終わった後に子ペンギンを下に置くアクションが発生する。

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ピングートリック(Pingu Trick)とは、親ペンギン前でしゃがみ(Zボタン)を出すことで、このアクションをカットするテクニックだ。

今回は、RTAルートでのピングートリックが誕生するまでを紹介する。

経緯

2018年6月5日。よく話すマリオ64プレイヤーから以下の動画付きでチャットが来た。

「改造マリオ64の子ペンギンスターではしゃがみを利用してタイム短縮する(ピングートリックを使う)けど、CCMの子ペンギンスターのRTAルートでこれ使えないの?」

私は以下に示す情報を既に知っていたので、かなり前からRTAルートでもピングートリックができると思っていた。

しかし、仮にこのテクニックができるとしても、RTAでやるのは難しいのではと思っていたので、試すのを保留していたのである。

今回のチャットを機に「せっかくだし試してみるか」となったのが事の始まりとなる。

既知情報

RTAルートでピングートリックを実現するには?

このテクニックは、親ペンギン前でしゃがみ(Zボタン)を出す必要がある。

しかし、通常のRTAルートではマリオが滑るアクションになってしまいそれができない。

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親ペンギン前でしゃがみ(Zボタン)を出すにはどうすれば良いかを考えていたところ、先に挙げたシゲル氏のタスク動画を思い出した。

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この動画ではRTAルートと似ている軌道を通っているのだが、下の足場着地時に歩くアクションとなってジャンプができている。

とりあえずのところはこれを真似すれば良いのではと思ったが、仮に真似して同じことができたとしても、歩きアクションになる条件が分かっていないとRTAで狙うことはできない。

なので、真似をする前に、歩きアクションになる条件を予想してみたわけだ。

  • 坂を滑った後の空中時間が長いと歩きアクションになる説(以下、空中時間説)
  • マリオに勢いがついていない(速度がない)と歩きアクションになる説(以下、速度説)

空中時間説の考察

私はシゲル氏のタスク動画を見て即座に「子ペンギンスターにおいては空中時間説は間違えているのではないか」と気づいた。

以下の灰色の坂では、手前であればあるほど(赤矢印)、より下の足場に近くなるので、空中時間も短くなるはずだ。

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シゲル氏の動画では、ぼくが想像していたよりも手前で坂を滑っていた。(青矢印)

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なので、空中時間は短いはずなのだが、下の足場に着地した時は歩きアクションになっている。ゆえに、空中時間説は間違えていると思ったのである。

速度説を念頭にテストしてみた

空中時間説が違いそうだと思った私は、「消去法から速度説が正解なのではないか」と考え、速度説を念頭にピングートリックの実現を考えた。

まず、どのようにして速度を減らすかだ。

灰色の坂は長く滑れば滑るほど速度が上がる(勢いがつく)のは誰もが知っていることだろう。実際にRTAルートでは長く滑っているのでかなりの速度がついている。

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逆に考えると、以下の黄色線のように、坂で滑る量を減らせば速度がつきすぎないはずだ。

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以上の考えから坂で滑る量を減らすことにした。

減らす前(1枚目)と減らした後(2枚目)の着地前は以下となる。減らす前は坂で滑る量が10フレーム程度だったのに対し、減らした後の坂滑りは7フレーム。

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滑る量を減らしたまま下の足場へ着地したところ……、ジャンプを出すことができたのである。

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速度説が正しかったのかどうかは後で話すとして、とりあえずこの後の動きを見てみよう。

まずは親ペンギンの手前で着地できるような高さのジャンプを出す。

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そして話しかける手前でZを押しペンギンを離す。

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以上の過程から、RTAルートにてピングートリックを再現できた。タイムも短縮できているようだった。

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結論: 空中時間説も速度説も間違いではない

STOOPというツールを使って調べてみたところ、滑りアクションの仕様は以下となっているように見えた。(正確かは不明)

  • 坂を滑った後、空中でケツ滑りアクションになる。
  • ケツ滑りアクションになって30フレーム(1秒)経つ。
  • マリオの速度がある一定値(101?)より低いか高いかのジャッジが発生。
  • 低い場合は歩きアクションになり、高い場合はケツ滑りアクションのまま。

これが正しいとすると、

  • 坂を滑った後の空中の時間が1秒以上必要
  • マリオに速度がつきすぎているとダメ

ということになるので、空中時間説も速度説も間違いではないということになる。

考えてみると、赤コインスターでのケツ滑りも上記条件を満たしているためにジャンプになるのではないだろうか。

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むすび

ピングートリック有無のタイム差は、J1.0かU版かによって異なる。(スターの出現位置が違うため)

J1.0なら0.4秒程度、U版なら0.7秒程度速くなるので、U版なら積極的に使ってみてほしいと思っている。

ピングートリックのやり方や通常ルート(ピングートリック無し)の最適化方法は『まいごのこペンギン』で紹介しているので、興味を持った方はぜひ勉強してみてほしい。