【マリオ64 RTA】All Signs RTAの26分30秒切りに賞金が懸けられ達成された件
2020年2月9日に、マリオ64 Speedrunサーバ(Discordサーバ)にて1つのアナウンスがあった。
内容は『All Signs RTAにて、実機記録で26分30秒切りを達成した人に250ドル(約2万7千円)あげるよ by Vagusstoff氏』というものだ。
最終的に777ドル(約8万円)ほどまで膨れ上がったこの賞金は、10日後の2月19日に26分27秒を出したSimply氏が手にする運びとなった。
今回はこのカテゴリを簡単に紹介した後、賞金についてもう少し詳しく話そう。
All Signs RTAとは?
All Signs RTAとは、マリオ64内にある全ての看板を読むまでを競うサブカテゴリである。
メインカテゴリなどと同じく電源投入からタイマースタートし、合計100個弱存在する木の看板や立て掛け式の看板を読み終えたらタイマーストップとなる。
理由は不明だが、『30枚スター扉をBLJで抜けてはならない』という16枚RTAと同じルールが存在するので、SBLJを使うことはできない。
よって、16枚RTAに全看板を読む要素が加わったRTAだと思ってくれれば良い。
このカテゴリのポイントは、『最後の看板を読み終えたらタイマーストップ』というところだと思う。
言い換えると、『ラストクッパと対決する必要がない』と言えるわけで、クッパ回しが苦手な方でも気持ちを楽にしてチャレンジできるのではないだろうか。
ちなみに、今回達成されたSimply氏の記録では、スノーマンズランドの甲羅[!]箱近くの看板でタイマーをストップしていた。
26分30秒切りはどれぐらいの難易度だった?
実機における26分30秒切りは、賞金が懸かった当初は「かなりギリギリだからそう簡単には出せないだろう」と思われていたが、
- 賞金が懸かったことで走者が少し増えたこと
- 試行回数をこなして理論値が速くなったこと
のおかげで、うまい人であれば狙えるレベルにまでなっていた。
Simply氏の記録を見るとSoB(区間ベストの合計)が25分51秒となっているのが分かる。
マリオ64RTAに限らず、突き詰められた30分程度のRTAは『SoB+30秒以内』に収まると良タイムと言えることが多い。
この法則に当てはめると、26分30秒切りは良タイムであり、試行回数をこなせば狙える範疇と言えたのではないだろうか。
次に、RTAそのものの難易度。
以下の動画では、一番最初の看板を読むところでミスして即リセットしている。
https://twitter.com/Alaris_Villain/status/1229928895165628417
「ふざけてやっているのではないか」と思った人もいるかもしれないが、実は看板を最速で話しかけるのが意外と難しくダイブに化けやすいのだ。
ダイブに化けると1秒以上のロスは確実である。なので、慎重に看板に話しかけなければならないが、逆に慎重になりすぎるとそれもロスになるので意外と難しい。
以上から、「26分30秒切りは頑張れば狙えるけど想像しているよりは難しい」ぐらいだったのではないかと予想している。
ラストのクッパ投げが無いのが唯一の救いだろうか。
今回の賞金は一味違った!
普段の賞金は、特定の1人or団体から固定金額の賞金が出るのがほとんどである。
しかし、今回は一味異なり、日にちが経てば経つほど賞金額が上がる可能性があるシステムだったのだ。
具体的には、Paypalのプール機能(集金機能)が使われ、投げ金する人が増えれば増えるほど賞金額が膨れ上がるというシステムだった。
最初はVagusstoff氏による250ドルだけだったが、数名が投げ金した結果、Simply氏が賞金を手にする時には777.69ドルまでになっていたようだ。
このシステムなら「大金は出せないけど少額なら出せる」という人が投げ金しやすくなるので、賞金が欲しいプレイヤー・投げ金したい視聴者の両者に都合が良かったのではないかと推測している。
むすび
今回の賞金システム(Paypalのプール機能)の評判が良かったのか、All Signs RTAの賞金の後、同じシステムを使ってメインカテゴリに対する賞金が懸けられた。
- 16枚RTA 15分切りに対する賞金
- 70枚RTA 47分切りに対する賞金
- 120枚RTA 1時間38分切りに対する賞金
また、最近だと上記とは別に『120枚RTAの1時間38分40秒切り』などに賞金が懸けられているらしい。
RTAへの賞金は、コミュニティを盛り上げる手段のひとつとしては有用だと思うが、「賞金が無いとRTAしなくなる」などのデメリットもある。
2020年は『RTA界がどのように賞金と向き合っていくか』が課題なのかもしれない。