一段・二段・三段ジャンプの高さに関する知識
マリオ64では、マリオの正面への速度が高いほど、一段・二段ジャンプが高くなります。
※三段ジャンプは高くなりません。(常に一定の高さです)
この二行だけだとイメージが湧かない方もいると思うので、今回はこのことについてもう少し詳しく解説します。
イメージが湧かない方向けに一例を紹介
以下のボムへいのせんじょうの動画が分かりやすいと思います。
白い坂で滑って速度を付けた後、
着地フレームと同時に一段ジャンプを出しています。こうすることで、速度を残したジャンプを出すことができます。(慣性ジャンプと呼ばれるテクニックです)
速度がある状態なので、一段・二段ジャンプが普段よりも高いことが分かると思います。
RTAでは、上記例のような超高いジャンプを出すシーンはなかなか無いのですが、細かいレベルで見ると色々なところでこの仕様が活用されています。
特にこの仕様を利用したRTAルートで有名なのが『ほのおのうみのクッパ ステージのみ』です。
ここでは、1フレームでポールの頂上まで行く『ポールバグ』と呼ばれるバグ技を使います。
このバグ技は、黄色いパーツの角(青丸)の高さまで高度を稼ぐ必要がありますが、
普通の一段ジャンプでは届きません。
しかし、速度の付いた一段ジャンプだと、ジャンプの仕様により高さを稼げるので届くのです。
補足: 具体的なジャンプの数値計算は?
ジャンプ発生時にゲームがどのような計算を行なっているかを紹介します。
RTAをやるだけなら覚える必要は無いので、興味のある方のみ読んでいただけたらと思います。
一段ジャンプ発生時の計算
- [上への速度] = 42 + 1f前の[正面への速度] × 0.25
- [正面への速度] = 1f前の[正面への速度] × 0.8
※実際はこの計算の後に『マリオが空中にいる時の速度計算』が加わります。
二段ジャンプ発生時の計算
- [上への速度] = 52 + 1f前の[正面への速度] × 0.25
- [正面への速度] = 1f前の[正面への速度] × 0.8
※実際はこの計算の後に『マリオが空中にいる時の速度計算』が加わります。
三段ジャンプ発生時の計算
- [上への速度] = 69
- [正面への速度] = 1f前の[正面への速度] × 0.8
※実際はこの計算の後に『マリオが空中にいる時の速度計算』が加わります。
まとめると
基本的に、[上への速度]が高いほどジャンプが高くなります。これを念頭に各ジャンプを見てみましょう。
- 三段ジャンプ: [上への速度]が固定値 = 常に一定の高さのジャンプ
- 一段・二段ジャンプ: 1f前の[正面への速度]が[上への速度]へ反映される ≒ [正面への速度]が高いほどジャンプが高くなる
この仕様の原理がなんとなく分かりましたね。
むすび
今回解説したジャンプの仕様は、マリオ64をプレイしていればなんとなく気づく仕様だと思います。
「知らなかった!」という方は、この機にしっかり覚えて、RTAに活かしてみてください。