【マリオ64 RTA】BBH テキストスキップを起こしやすくする方法を考えてみた
以下の記事では、『テレサのホラーハウス おやかたテレサをさがせ』(BBHボステレサスター)のちびテレサ2匹を倒すパートで、テキストスキップがなぜ発生するのかの調査結果を書いた。
結果をまとめたのが以下だ。
”2匹のテレサが同フレームで白い煙になるとテキストスキップが起こることが分かり、白い煙になる条件は以下2つある。
- マリオから攻撃を受けたテレサが壁にぶつかる
- マリオから攻撃を受けたテレサが一定時間(1.06秒)経つ
以上から、テキストスキップを発生させる方法が3パターンあると予想できる。
A. 両者が同時に壁にぶつかって白い煙になる
B. 両者が同時にマリオから攻撃を受け、一定時間経って白い煙になる
C. 片方は壁にぶつかって白い煙になり、もう片方は一定時間経って白い煙になる
ちなみに、私が作成したテキストスキップのタスはCパターンだった。A, Bパターンが実現可能なのかどうかは今回調べる。"
今回は、上記調査結果をもとに、『テキストスキップを起こしやすくする方法』を考えた話をする。
ただ、先に断わっておくと、安定してテキストスキップを起こす方法は見つからなかった。なので、期待はせずに読んでほしい。
前提: 幅跳びまでは『左下くぼみ』『一段ジャンプ幅跳び』固定
実際に色々考えていく前に、透明[!]箱キックまでのアプローチを決めることにした。
テキストスキップを安定させるために、できる限りテレサの動きを固定化させたほうが良いと考えたからだ。
具体的には、
- 乱数
- スティック入力(マリオのライン取り)
- アプローチ
の3つがテレサの動きを決める要素だと思われる。
このうち、『乱数』はどうしようもないが、『スティック入力』『アプローチ』は人間がやる部分なので固定化できると考えた。
まず『スティック入力』だが、経験的に、マリオ遠目視点なら左下くぼみが一番簡単だと思っている。
続いて『アプローチ』。一般的に使われているのは、『JK2回幅跳び』か『一段ジャンプ幅跳び』だと思う。
■JK2回幅跳び
■一段ジャンプ幅跳び
『JK2回幅跳び』は、以下3つのブレる要素がある。
- 1回目のJKのタイミング
- 2回目のJKのタイミング
- 幅跳びのタイミング
一方、『一段ジャンプ幅跳び』のブレる要素は、以下2つだけだ。
- 一段ジャンプのタイミング
- 幅跳びのタイミング
以上から、ブレる要素の少ない『一段ジャンプ幅跳び』を採用することにした。
最後に一応『乱数』の話をする。
ステージ入場時の『乱数』を変えて同じ動きを再生してみたところ、テキストスキップを再現することはできなかった。
おそらく、『乱数』によってテレサの初動の方向(?)が異なり、それによって動きが異なるためだろう。
本来はこの点も考慮するべきだが、今すぐ調べられる感じではなかったので、今回の調査ではこの要素を無視することにした。
またの機会に調査し、記事として紹介するつもりである。
パターンBは非現実的!
『B. 両者が同時にマリオから攻撃を受け、一定時間経って白い煙になる』
このパターンは、両方のテレサを同時に倒し、且つ、壁に当てなければ達成可能なので、安定法を考えるのにはベストではないかと考えた。
ただ、動画を何点か見てみたところ、このパターンは非現実的だという結論にたどり着いたのだ。
どうしてこの結論にたどり着いたのか……、以降で過程を説明しよう。
以下の画像は、私が作成したテキストスキップのタスのヒップのシーンである。
『左側のテレサ』のほうが『右側のテレサ』より高い位置にいるため、先に『左側のテレサ』に攻撃が入ってしまっている。
この動画に限らず、その他の動画でもこのようになっているようだった。
気になったので、各テレサの初期位置の高さを確認してみると……。
どうやら、『右側のテレサ(画像真ん中)』のほうが少し低い位置にいるようだ。
以上の知見から、同時に2匹のテレサへ攻撃を与えるには、少なくとも両者の高さのそろえてあげる必要があると分かった。
で、実際に、高さをそろえられるかを試してみたところ、一度もうまくいかなかったので、パターンBは現実的ではないという結論に至ったのである。
パターンAを実現するために使える壁を考えてみる
『A. 両者が同時に壁にぶつかって白い煙になる』
このパターンを実現するためには、テレサをぶつけることのできる壁を確認する必要があり、実際に調べてみた結果が以下である。
(テレサをぶつけることのできる壁は『青線の部分』と『赤色の壁』)
このうち、『青線』は少し低い位置にテレサがいないとぶつけることができないため、実際は『赤色の壁』にぶつけることになる。
この知見をもとに、私が作成したテキストスキップのタス(パターンC)を見てみると面白いことが分かる。
このタスでは、『左側のテレサ(赤色)』が一定時間(1.06秒)で消滅、『右側のテレサ(緑色)』が壁にぶつかって消滅している。
――つまり、部屋の奥側(絵の奥)に飛ばす方法だと、赤色の壁までの距離が遠すぎて、左側のテレサを壁に当てて消滅させることができないのだ。
言い換えると、もっと手前にある壁に当てなければならないということになり、これを実現できるのは『絵のフチの壁』のみなのである。
パターンAを実現できるか試してみた
先のセクションの考察をもとに、このパターンのタスを作ってみた。
(1) 6フレーム歩いて最大ジャンプ。(入力は左下くぼみ)
(2) 2フレーム歩いた後Z+Aで幅跳び。(入力は左下くぼみ)
(3) 幅跳びを調整して[!]箱をキック(最速ではない)。
(4) 『左側のテレサ』を少し右側に移動させるため、多めに右に進んだ後ヒップ。
(5) 『左側のテレサ』『右側のテレサ』の順に攻撃が入る。
以上の手順で、絵のフチの壁に2匹のテレサを同時にぶつけることができた。
タイムは37.30扉タッチで、私がサンプルとして作ったテキストスキップのタス(パターンC)と比べて0.13秒速い結果となった。
この後実際に試してみたところ、成功しやすい手順があったので、以下に述べよう。
- 歩き2フレームからの最大ジャンプ(入力は左下くぼみ)
- 5フレーム歩いてからZ+Aで幅跳び(入力は左下くぼみ)
- 箱をキックできるように調整
- 少し遅延させてからヒップ
最後のヒップのタイミングは早すぎなければ問題なさそうだった。(大まかでもテレサに攻撃が入るタイミングは同じであるため)
パターンAのまとめ
パターンAにおけるまとめは以下となる。
- 2匹のテレサを絵のフチの壁に当てれば、パターンAを実現できる。
- ただ、テレサに攻撃した後すぐにテキストが出現してしまうため、扉抜けを狙うことができない。
- また、どんなに精密に入力しても、乱数の違いによって成功の可否が変わるので、100%決めることはできない。
そして、私なりの結論は以下となった。
- 扉抜けができないため、ワンスターRTAでは使えない。
- 扉抜けを使わない前提なら、RTAで狙ってみても良いかも。(絵のフチに当てる方法のほうがパターンCより速いため)
パターンCを起こしやすくする方法を考えてみる
『C. 片方は壁にぶつかって白い煙になり、もう片方は一定時間経って白い煙になる』
冒頭で述べたように、私がサンプルとして作ったテキストスキップのタスはパターンCだった。
そのため、既にパターンCが可能だと分かっていたので、続きとして、パターンCを起こしやすくする方法を考えてみた。
方法を考えるために利用したのがphantaxx氏のテキストスキップの動画である。
この動画はパターンCとなっており、[!]箱を蹴ったら即ヒップを出しているのが特徴だ。(板の端でヒップを出しているのが分かると思う)
「この動画を真似れば成功させられるのでは」と思った私は、同氏と同じような入力にして再現を試みたのだが……、うまくいかず。
歩く量・ジャンプのタイミングは全て同じにしたので、おそらくスティックの問題(以下のどちらか)なのだろう。
- 私が試したのもphantaxx氏のも左下くぼみ入力だが、くぼみそのものの入力が違う。
- phantaxx氏の動画はそもそもくぼみ入力ではない。
その証拠として、幅跳びの時点で位置が違うことが分かった。(1枚目が私が試したもの、2枚目がphantaxx氏の動画)
この後、乱数を変えて試してみたがうまくいかなかったので諦めてしまったものの、phantaxxの方法(即ヒップ)は、理論上は正解なのではないかと私は考えている。
パターンCを狙うのに即ヒップが正解な理由
ヒップを出すのが遅い場合、『テレサが完全に手前側に顔を出している』『絵のフチまでの距離が短い』という条件になるため、ほぼ100%の確率でテレサが絵のフチの壁に当たる。
それゆえ、テキストスキップが発生するとしたら、パターンAのほうになるだろう。
一方、即ヒップを出す場合、『テレサがちょうど手前側に顔を出すぐらい』『絵のフチまでの距離が遠い』という条件になるため、テレサを部屋の奥まで飛ばしやすい。
また、『左側のテレサ』『右側のテレサ』の順番で攻撃できるので、片方は壁にぶつかって白い煙に・もう片方は一定時間で白い煙になりやすいはずだ。
それゆえ、テキストスキップが発生するとしたら、パターンCになるだろう。
以上から、パターンCを狙うのであれば即ヒップが正解だと考えている。
ちなみに、面白い事実として、phantaxx氏の動画(パターンC)はパターンAを成功させやすい方法(以下)と全く同じフレーム数となっていた。
- 歩き2フレームからの最大ジャンプ
- 5フレーム歩いてからZ+Aで幅跳び
つまりは、この方法(フレーム数)を使えば、『即ヒップを出したらパターンC』『ヒップを遅らせたらパターンA』になりやすいのではないだろうか。
全パターン考察後の結論
『テキストスキップを起こりしすくする方法』のまとめと、私なりの結論は以下となる。
■テキストスキップパターンまとめ
A. 両者が同時に壁にぶつかって白い煙になる
B. 両者が同時にマリオから攻撃を受け、一定時間経って白い煙になる
C. 片方は壁にぶつかって白い煙になり、もう片方は一定時間経って白い煙になる
■考察後のまとめ
- パターンAは絵のフチの壁に当てることで実現可能。しかし、テレサを倒した後すぐにテキストが出現するため、扉抜けができない。
- パターンBは非現実的。各テレサの高さが異なるせいで、同時に攻撃するのが不可能に近いため。
- パターンCは部屋の奥まで飛ばすことで実現可能。このパターンのみ扉抜け可能。
- 部屋に入った後、『歩き2フレームからの最大ジャンプ→5フレーム歩いてからZ+Aで幅跳び』という方法が成功しやすいと思われる。
■私なりの結論(扉抜けを狙わない前提)
扉抜けを狙わないのなら、テキストスキップは狙ったほうが良い。
- テキストスキップを狙う場合、普段と同じアプローチで、入力タイミングを意識するだけで済む。(セットアップ等は不要)
- つまり、リスク無しで、成功すれば1秒程度短縮できるというメリットがある。
- また、パターンA・Cの2パターンあるので、自分に合ったほうを狙えば良いという楽な面もある。
■私なりの結論(扉抜けを狙う前提)
扉抜けを狙うのなら、テキストスキップを狙うかはお好みで良いと思う。
- テキストスキップ+扉抜けを両方導入するには、パターンCを狙うしかない。
- テキストスキップに成功するとテキストが1つしか出現しなくなるため、扉抜けを狙うチャンスも1回減る。
- テキストスキップは1秒程度短縮できる一方、扉抜けは2秒程度の短縮。つまり、扉抜けのほうが短縮量が大きい。
- 以上から、テキストスキップ+扉抜けを成功させる難易度に対して、扉抜けを失敗した時のロス(2秒程度)が少し痛いように見える。(なので、お好みで良いと思った。)
むすび
色々考えてはみたものの、テキストスキップ安定法を見つけるまでには至らなかった。
しかし、「どういう入力ならテキストスキップが起こしやすいか」は分かったので、調べた価値はあったと思っている。
これを見て「使えそう!」と思った方は、ぜひ導入してみてほしい。