【マリオ64 RTA】最近見つかったBitDW赤の新アプローチが早速試された件
数日前。私は『やみのせかいのクッパ 赤コインスター』(BitDW赤)の新アプローチが見つかった話をした。
このアプローチは難易度のせいかRTAでは使われておらず、また、ワンスターではBLJを使うルートが人間最速であるために使われていない。
――つまりは、なんだかんだ言って使われていなかったのである。
しかし、今週の2020年2月3日。
ようやくこのアプローチを使うプレイヤーが現れ、ワンスターRTAの世界1位タイの記録が出されたのだ。
意外な視点を使っていた!
タイムは43.30秒でプレイヤーはlunarjump氏。
この記録では、BLJ無し人間最速サイクル『月島サイクル』を決めた上で、新アプローチを決めているようだ。
新アプローチが出た当初、『アプローチを簡単にするための視点の作り方』が何度か検討されたのだが、記録内では、検討内容とは異なる『クリボーを見る視点』を使っていた。
(画像は上記動画から)
私は最初この視点を見た時「あれ?」と思ったが、よくよく考えてみると、この視点は非常に合理的なのである。
その理由は、新アプローチの段階でこの視点を作っておけば、これ以降は全く視点を変えずに済ませることができるからだ。
特に最速壁キックのパートでは、マリオの速度が1違うだけでタイムも変わる。マリオの速度を下げないためにも、視点を変えずに、できる限りスティックを進行方向に倒しておきたい。
こういった『マリオの速度』の観点も意識したのが、この視点なわけだ。
ちなみに、私の調査によると、『月島サイクル + 新アプローチ』の理論値は42.30秒。
今回の記録は43.30秒……、つまり、このルートでもあと1秒ほど更新できるみたいだ。(BLJをやったほうが速いのは言うまでもないが)
難しいアイデアでも出すことが大事!
今回の事例を見て分かったと思うが、マリオ64RTAでは、使えそうな新アプローチやルートが見つかっても、すぐ使われることはあまりない。
最初にRTAに取り入れるプレイヤーが出てきて連鎖的に使われるようになるか、使われないまま忘れられてしまうか……、このどちらかになる場合がほとんどだ。
しかし、私は多少難しくてもアイデアを出しておくことは大事だと思っている。
それはなぜか――アイデアを出した当初は『難易度が高い』と思われたとしても、月日が経ちプレイヤーの腕前が上がった結果、使われるようになることがあるからである。
例えば、2018年に発案された『さむいさむいマウンテン 100枚レース』のatmpas specialルート。
このルートは、発見当初試されはしたが、「失敗時のタイムロスに対するタイム短縮量が見合わない」という理由からRTAでは使われなかった。
しかし、月日が経った2020年の現在は、上位プレイヤーがRTAに取り入れるぐらい一般的なルートになっている。
マリオ64RTAではこういう話がよくあるのだ。だからこそ、難しいアイデアでもとりあえず出力しておくことが大事なのである。
むすび
今回話した新アプローチは、まだ検討段階というところで、将来RTAでも使われるようになるかもしれないし、忘れ去られてしまうかもしれないし……、というのが現状だ。
ただ、面白い発見であったことに変わりはない。
もしかしたら、他のスターにも意外なところに更新点があるかもしれないので、興味が湧いた方は調べてみてはいかがだろうか。